支部長二期目をお引き受けして

家被・昭和四十三年卒  渡 辺 澄 子


皆様お変わりございませんか。二年前に支部長をお引き受けしてより、あっという間に一期二年が終わりまして、僭越ですが二期目を務めさせていただいております。この間、役員の皆様をはじめ、若い方からご高齢の方まで実に多くの会員の皆様のご協力を得ることが出来ました。同窓会員の豊かな力量に改めて有難く感謝しております。と同時に、今後の本会のさらなる充実発展が期待されることも感じられ、身の引き締まる思いをしております。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

  

さて、今年も九月二十七日(日)奈良ホテルにて開催された(一社)佐保会第四回代議員定時総会および奈良女子大学同窓会佐保会総会へ出席いたしました。当日の総会議事内容等は同封の佐保会報をご覧いただきたいと思います。午後の懇談会と講演会では、先ず文学部准教授西村さとみ氏(大阪支部会員)による「国風文化とヤマト」という演題で、日本の文化の源は奈良こそが発祥の地であるというお話を伺いました。その後を受けたように、奈良女子大学こそが唯一その特殊性を受けつぐことができる大学であり、佐保会のご後援をいただきながら「世界一の女子大学」を目指して優秀な女子学生たちを育てていきたいと今岡学長が熱弁を振るわれました。併せて「なでしこ基金」と広報企画室からの新入生募集のお願いもありました。毎年新入会員を迎える佐保会と母校の強い絆の必要性を感じた次第です。

 

その日はお天気も良く、奈良ホテルの裏道からぶらぶら歩いて近鉄へ向かう途中では、丁度中秋の名月で猿沢池に舟を浮かべて夜の采女祭の準備をしていまして、五条通も稚児行列などが出て、大勢の観光客でにぎわっていました。本号の特集は「私と奈良」ですが、奈良はいつ訪ねても懐かしい心の故郷ですね。日常の多忙さから一時逃れて安らげる大切な場所で、おそらく日本人の誰もがそう感じるのではないでしょうか。

 

次いで、支部活動について報告させていただきます。

昨年に引き続きまして、小坂絢子先生にお願いして、公開講演会「源氏物語と能楽」を五月にアスト津にて開催いたしました。昨年度来聴された方々の多くが再度参加されまして、講演内容のユニークさと人気の高さが窺われるものでした。お忙しい中、先生には改めて要約を本紙にお寄せいただいております。でき得れば今後も継続をお願いしたいと思いますし、更に新たな分野の取り組みも企画可能かと思います。皆様のご提案ご協力をお願いいたします。

 

そして、今年度の新企画として、初めて支部総会開催と佐保会館を訪ねるバス旅行を実施致しました。この企画には、桑名地区委員の細川様、永川様が大変ご尽力くださいました。厚く御礼申し上げます(内容の詳細は後述)。参加された皆様には大変ご満足いただけたように思いますが、残念ながら参加人数が予想よりも少なかったことを反省いたします。しかしながら、この日帰りバス旅行の企画は今後に生かせる大変良い経験になったと思っています。

当日、今年度の卒後六十年お祝いの小林資子様、今川恵津子様、中西明子様は残念ながらご欠席でしたので、記念の奈良絵扇子を後日お送りいたしました。皆様より、ご丁寧なお礼のお便りを頂戴いたしました。

 

支部総会では、今年は役員の改選がありました。大方の人に継続していただきましたが、一部交代をしていただいた方もあります。役員の皆様、何卒よろしくお願い申し上げます。実は、役員をお願することが最も難しい作業でして、今回も大変ご無理を申し上げて了解いただいた次第です。できる範囲のご協力で結構ですのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、反省を込めて一期二年を諸事振り返ってみますと、この二年間の国内外の世相の不安定さを一方でひしひしと感じながら、これらと決して別世界であってはならない本会の在り様を考えております。それには目の前の課題から、グローバルな問題、中長期的問題に対しても会員同士が共に考え、学び、助け合えるような、前向きな活動が展開できるようになることをと願っています。

 

特に高度成長の時代と違って、今の現役世代の方々の大変さは、新聞紙上でも、又身近にも決して他人事ではありません。世代を超えてこの難局を、協力して問題解決をして行かなければならないと思います。本誌「佐保会三重」には、このような世代を超えた沢山の会員の皆様の前向きな発想や思いが綴られています。これこそが、今私たちを勇気づける素晴らしい取り組みであると、先ずは自負して良いのではないでしょうか。

 

一方で、高度情報化社会に伴うデジタルツールの急激な普及は否応なく私たちの生活に入ってきました。軸足を若い会員に一歩でも近づけるためにも、又、その便利さにおいても、スマホやパソコンでの情報発信は不可欠で、本会もできるだけ対応してゆかねばならないと考えます。

 

幸いにもホームページ担当の役員の皆様から、数年前よりご提案をいただいておりまして、一昨年の会員名簿調査の折にアドレスの記入と配信希望の有無を伺っています。今後はホームページの充実と同時に、ご希望の方には配信も開始したいと思います。アドレスをお持ちの方で未登録の方は、この際是非ご登録をお願いいたします(詳細後述)。

 

本誌「佐保会三重」第二十八号の発行は、昨年に続きまして津地区の編集委員の皆様にお世話になりました。そして今回も沢山のご投稿をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。次号は鈴鹿・亀山地区の担当になります。次号にも沢山のご投稿をお待ちしております。                (平成二十七年 師走)