燕来る

 文学部史学科 昭和五十三年卒 服部 登紀子

  爪ほどに銀杏芽吹きの湧き出づる

  燕来る城見はるかす小学校

 遠足子吊橋揺らしつつ渡る

 校門を入るや盛りの藤の棚

  ぎしぎしや列車の通る校舎裏

 かくれんぼ潜む新樹の太き幹

 教室の窓全開へ夏蝶来

 ほら雲がまつ白だよとプールの子

 花カンナ折れんばかりや野分中

 子ら野辺に摘みぬなづなの返り花

 着ぶくれてマラソンの子ら応援す 

春寒き校舎に子鳥迷ひ込む

 

       昨年勤めていた学校での日常を詠んだ俳句です。

       豊かな自然に囲まれた小学校でした。