家政学部被服学科 昭和四十三年卒 渡 辺 澄 子

 四年前、成田前支部長から支部長の大役をお引き受けし、役員の皆様、会員の皆様の絶大なお力添えをいただき、お陰様で何とかこれまで務めさせていただきました。そして先月の支部総会におきまして新たに役員改選が諮られましたが、諸般の事情でもう一期支部長をお引き受けすることとなりました。僭越ですが引き続きどうぞよろしくお願いいたします。そして同時に役員の皆様も全員が継続していただけることになりました。役員共々合わせてどうぞよろしくお願いいたします。

 「佐保会三重」第三十号をここにお届けすることができました。

 今回の編集も鈴鹿亀山地区委員のご尽力によるものです。

 どうぞバックナンバーと合わせてゆっくりお読みいただき、会員相互の交流に役立てていただきますようよろしくお願いいたします。

さて、今年度も一般社団法人佐保会第六回代議員定時総会および奈良女子大学同窓会佐保会第六回総会が九月二十四日(日)奈良ホテルで開催されました。今回はやむなく私事で欠席させていただきました。後日当日の報告が来ましたが、詳細は今回同封の佐保会報へ掲載されておりますので、ご一読くださいますようおねがいいたします。

支部活動については事務局だよりに掲載しているとおりですが、久しぶりに伊賀地区での支部総会が開催され、桑名からも伊勢からも参加者があり、心温まる歓迎をいただき、盛会裡に終えることができました。伊賀地区の会員さんと地区委員の梶原様、服部様には会場の設定や講演会の準備等、大変お世話になりありがとうございました。

 支部総会において、協議事項の中の()支部規約の一部改正を行いました。先ず、①地区割りを変更いたしました。会員数の減少にともない地区運営が難しくなりましたので、松阪地区と伊勢地区を合わせて松阪伊勢地区としてこれまでの7地区から6地区に変更しました。次いで、②四年に一度、会員名簿の作成とあるのを、十年を目途に検討すると変更しました。前回の規約改定後の四年間での諸般の事情を勘案し、いずれも支部運営を円滑に維持するために必要としたものです。本支部規約改定版を本誌の末尾に掲載していますのでご覧ください。

 ただ、会員名簿につきましては、この四年間でも新入会員・移動・ご逝去等がかなりありましたので、事務局サイドで把握しているものを土台にして後日印刷配布する予定です。

 午後の公開講演会は、伊賀上野の地にふさわしく芭蕉の人となりをテーマにしたお話で、しかも同窓の講師の方に語っていただけたのは一層身近に感じられるものでした。この地での公開講演会として広報してくださったおかげで、地元の俳句会の方々が沢山聴講していただけたことも大変良かったと思います。

 今年の卒後六十年のお祝いは、藤善様、村田様でしたが、当日ご都合でご参加いただけず、よろしくという伝言を頂戴いたしました。支部総会への参加者の顔ぶれが、当然でしょうが、少しずつ変わってきました。常連のようにお顔を見ていた方が最近お目にかかれなくなって、淋しさを感じています。あるいは逆に、杖を突いてゆっくり歩いてご参加くださった先輩諸姉には心から感謝申し上げたくなります。毎年、皆様から一言を頂戴していますが、その一言がそれぞれ深い意味を私たちに残して散会することになり、後日余韻を味わっています。年に一度の総会だけでなく、お近くの会員同士のミニ集会を芽生えさせてほしいと願っています。

  そして今回、神戸道様(S25文国)が米寿を記念して自費出版されましたエッセイと俳句「米寿」を参加者全員に謹呈くださいました。支部へも一部献本いただきましたのでご希望の方はお貸しできますので、ご連絡ください。

 さて、今年の特集テーマ「伝えたいこと」についてですが、なかなかそのことに思い至らずに困っています。私はいつまでたっても伝えてほしいと思う方が強いのです。教職に長くついていましたので、教壇に立つことの大変さを実感していまして、今、教壇を降りて十余年、何でも教わる身になってつくづく新鮮な喜びを感じています。年とともに理解できる幅が広がり、深まってゆくのを感じますし、昔は理解できずに興味を持てなかった分野が、今では非常に魅力的に感じられ、年を取るのもまんざら悪くはないなと思っています。先輩からの教えはもちろん拝聴したいものですが、若い方々との交流で、これからのネット社会や人工知能なるものを上手に取り入れてゆくためにも、今風の技術を教えていただきたいし、若い方の考え方を吸収したいと思っています。世代を超えた交流、教え、教えられる交流がこれからの社会を住みやすいものにしていくのではないかと思っています。

 振り返ると、自分ができなかったこと、分からなかったことが多くあります。子育てもその一つです。自分の子どもはいつの間にか大きくなっていきましたが、今となったらゆっくり距離を置いて丁寧に子育てができるように感じています。子育てはやり直しがきかないのは致し方ないので、せめて今働きながら必死に子育をしていらっしゃる昔の自分と同じ状況のお母さん方のお手伝いをさせていただき、同時に学ばせてもらおうと思います。その過程で双方向のコミュニュケートができるのを期待しています。七十歳代は元気な高齢者がたくさんいらっしゃいます。友人を誘ってもう少し社会のお役に立てることをしていきたいと思っているこの頃です。あえて言えば、こんなことが私の今「伝えたいこと」になるのかもしれません。

今年も残りわずか、世界中でいろんなことがありました。やはり思い出すのはあまり良くないニュースの方が多いのが残念です。

 来年はどんな年になるのでしょうか。 

 それでも冬至のゆず湯に浸かって今元気でいることを幸せに感じています。

 次号は松阪伊勢地区の編集担当です。沢山のご投稿をよろしくお願いいたします。同時に支部総会も松阪伊勢地区で開催されます。多くの皆様のご参加をお待ちしています。

(平成二十九年 冬至)